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首相の施政方針演説 
産経「皇室典範と憲法の改正を」 朝毎東は防衛予算の増額を警戒

産経新聞 社説検証2026/3/4

 第2次内閣を発足させた高市早苗首相が2月20日、特別国会で施政方針演説を行った。産経、読売が政策の推進に期待感を示したのに対し、朝日、毎日、東京は自民党が衆院選で圧勝したことを踏まえ、「数の力」や勢いで政策を進めないよう牽制した。また産経は皇室典範と憲法の改正を中心に訴え、朝日、毎日、東京は防衛関連予算の増額に警戒感を示した。

 産経は「日本列島を、強く豊かに。」と訴えた衆院選公約と日本維新の会との連立政権合意書の実行を求め、「首相は指導力を発揮し、諸政策を力強く推進してもらいたい」と記した。

 読売は「首相の施政方針演説からは、自らの手で難題を克服したいという熱意は十分伝わってきた。この国会を、首相がその具体策と道筋を明確に示す場としなければならない」と強調した。

 

 朝日は「首相に期待して一票を投じた有権者も、公約のすべてに丸ごと賛同したわけではあるまい」「議論を尽くさず、巨大与党の『数の力』で押し通すことは許されない」とくぎを刺した。

 

 東京も「国論を二分する政策を『数の力』で推し進めてはならない。指導者として国民合意の形成に努める責任を果たすよう重ねて求める」とした。毎日は「勢いに任せて突き進むばかりでは、リスクを見落とす。政策転換の根拠や展望を明示し、議論を深めることが先決だ」と訴えた。

 

 政策課題では、産経は最優先すべきテーマの一つとして安定的な皇位継承策の確立を挙げ「男系継承で貫かれてきた日本の皇位継承の最重要原則を守るべきだ」と説いた。

 

 政府報告書が示した養子縁組による旧宮家の男系男子の皇族復帰が欠かせないとして、その線で「与野党合意を急ぎ、皇室典範を改正してもらいたい」と主張した。

 

 憲法改正については衆院で発議に必要な定数の3分の2を超える316議席を獲得したことを踏まえ、「改憲原案の条文起草委員会を設け、第9条改正や緊急事態条項創設の条文化に着手するときだ」と促した。

 

 日経も憲法改正について言及したが、2月21日付の社説(主張)で皇位継承策と憲法改正を手厚く論じたのは産経だけである。

 

 防衛力の抜本的強化をめぐり、首相が国家安全保障戦略など安保3文書を年内に前倒し改定する考えを改めて示したことについては、産経は「無人機(ドローン)など新しい戦い方への対応、継戦能力強化は必要だ」と改定の意義を強調した。

 

 朝日は「防衛関連予算をどの程度増やすのか、その財源をどう手当てするのかなど、相変わらず肝心な点には触れないままだ」と批判。毎日は「国論を二分しかねない政策の説明もなおざりだ」とした上で「防衛費増額の目標や財源、焦点となる非核三原則の扱いなどには触れなかった」と指摘した。

 

 東京は防衛費増額を視野に入れた3文書改定や国家情報局の創設などを引き合いに出し、「根強い反対がある課題にも取り組む考えを示した」と説明した。

 飲食料品の消費税ゼロについては各社が取り上げ、産経は「財源も含めて多くの課題がある。首相には納得のいく説明を国民に示す『責任』があろう」と訴えた。

 

 読売は「代替財源を確保しない限り、社会保障サービスを維持するのは難しくなる」と指摘し、「安定財源を目先の物価高対策に回すことが賢明とは思えない」と説いた。

 

 朝日は「具体策は超党派の『国民会議』に丸投げだ」と論難した。東京は「政府・与党の責任で財源を含めた具体案を示すべきではないか」とした。日経は「財源の裏付けなき減税は財政に対する信認を損なう」と苦言を呈した。

 

 高市首相は取り組むべき課題を明確にしている。経済安保などに資する危機管理投資と先端分野の成長投資で「強い経済」を実現し、防衛力の抜本的強化で抑止力を高め、インテリジェンス機能の強化で情報力を高める―。一連の政策を通じて、連立合意書にあるように、日本列島を強く豊かにし、誇りある「自立する国家」としての歩みを着実に進めてもらいたい。(坂井広志)

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