
宮城県の村井嘉浩知事「海外で差別経験を」 外国人問題追及の柳ケ瀬氏「あり得ない」
(産経新聞 2025/9/5 14:27)
宮城県の村井嘉浩知事による外国人との共生に関する発言が波紋を広げている。村井氏は「日本人は一度海外で生活し、差別などを経験すればいい」と述べ、SNSでは「移民推進派」といった村井氏に対する批判的なコメントが目立つ。国会で政府の外国人政策を追及してきた柳ケ瀬裕文元参院議員は5日、産経新聞の取材に「知事としてあり得ない発言だ」と述べた。
柳ケ瀬氏は村井氏の発言について「日本で外国人が差別を受けているから同じ立場になってみろ、という発言だ。日本で外国人が差別を受けているという前提に立っている。極めて日本を貶める発言だ」と批判した。「日本でそのような差別を受けている事実はないので、認識が間違っている。また、日本人が外国で差別を受けてきてよいはずがない。身の危険も考えられる」と語った。
「土葬批判する人は差別主義者というレッテル張りたい」
村井氏は土葬が可能な墓地の整備に意欲を示している。これも踏まえ、柳ケ瀬氏は、村井氏の発言は宮城県知事選(10月9日告示、26日投開票)を意識したものだと推測した。柳ケ瀬氏は「村井氏は、外国人問題が争点となった参院選をみて、土葬問題で批判を浴びると考えた。批判する人たちは差別主義者だというレッテルを張りたいのだと思う」と述べた。
宮城県知事選には、立憲民主党県議の遊佐美由紀氏や元角田市職員の伊藤修人氏が立候補する予定。参政党が候補者擁立を模索しているほか、自民党保守系グループ「日本の尊厳と国益を護る会」に所属した和田政宗元参院議員らが出馬を検討している。
「左の票を取りたい」
柳ケ瀬氏は「元自衛官出身の村井氏は保守層の一定の支持は見込めると考えており、立民の県議が出てくるので『左』の人たちの票が取りたいのだろう。石破茂首相が、高市早苗政権誕生など『右』に偏ることを恐れた『左』に支持されて内閣支持率が上がっている。村井氏はそうしたことを踏まえていると思う」と語った。
土葬の拡大に関しては、柳ケ瀬氏は「国土が狭い、水源地も近い、衛生管理の問題もあり、日本では火葬が99・9%になっている。多文化共生ということで、どこまで歩み寄るのかというのは重要だ。外国人に全部合わせたら、日本が日本でなくなってしまう。郷に入っては郷に従えというのは極めて当然のことだ」と否定的だった。