日中友好に捧げられた建国記念の日
「建国記念の日」の二月十一日、例年であれば「紀元節」をお祝いするために、
遠つ御代に神武天皇が都を定められたという奈良県の「橿原神宮」で紀元祭が
執り行われるが、コロナ感染症拡大を防止するために祭典は中止となった。
今年は新年の一般参賀をはじめ、建国を祝う行事、さらには天皇誕生日の参賀も
軒並み中止となったが、宮中をはじめ全国の神社では粛々と祭祀が執り行われている。
そのような自粛ムードの中、二月十一日「建国記念の日」に、
東京タワーで次のようなイベントが開かれたと怒りの声が九州から届いた。
・タイトル:東京タワー レッドライトアップ 2021 ・
主催:東京タワー レッドライトアップ実行委員会
・後援:外務省、東京都、中華人民共和国駐日本国大使館
・特別協力:株式会社TOKYO TOWER
・ライトアップ時間:2021年2月11日(木)18:30点灯 ~ 24:00消灯
・点灯式時間:2021年2月11日(木)18:00 ~ 19:00
・点灯式会場:東京タワー 展望台メインデッキ「CLUB333」ステージ
・企画意図:旧暦大晦日に東京タワーを赤くライトアップすることで、
日中両国共通の良い思い出を残すことを目的としています。
またこれにより在日中国人から故郷や家族への愛情を伝え、
春節へ向けて日本から中国へ祝福の意が伝わることを願います。
さらに、本年は「希望」の2文字を灯すことで新型コロナウイルス感染症の
早期終息を祈るとともに、一大イベントを控える東京へのエールを送り、
第3回目となる本イベントをより一層意義のあるものとします。
・登壇者:島村宜伸 元文部大臣 元農林水産大臣
東京タワー レッドライトアップ発起人会会長、河村建夫 衆議院議員
自由民主党 地方創生実行統合本部長、森下洋子 松山バレエ団 団長、
落谷孝広 東京医科大学 教授、大倉正之助 重要無形文化財総合指定保持者
能楽師 文化庁日本遺産大使
・祝辞:孔鉉佑 中華人民共和国駐日本国特命全権大使、
菅義偉 内閣総理大臣、山口那津男 参議院議員 公明党代表、
黄孟復 中国人民政治協商会議全国委員会元副主席
中華全国工商業連合会名誉主席 中国康復技術転化及び発展促進会名誉会長、
小池百合子 東京都知事、潘岳 中国国務院僑務弁公室主任、
福田康夫 元内閣総理大臣
といった趣旨と顔ぶれだ。
内閣府公報に載っている祝日法には「建国記念の日」について
「建国をしのび、国を愛する心を養う」と記されているが、建国をしのぶどころか
「日中両国の思い出」に重きを置いたという矛盾はいかがなものだろうか。
共産主義中国は、海警局の武器使用規定を明文化した「海警法」の施行後の六日、
同局の公船が尖閣諸島周辺のわが国領海に初めて侵入した。
式典の五日前に領海を侵されたあげく、
東京タワーで「日中両国の思い出を残す」
イベントとは呑気なものである。
これでは領海侵犯など収まるはずがない。
ましてやコロナ禍で自粛を求める当事者である
内閣総理大臣、都知事が祝辞まで送ったとは他国の笑いものだ。
妥協し、媚びることが戦後政治に染み付いた末期的現象、恥ずべき醜態を見た。
(編集部)